バッキー井上さんの京都店特選   

2009年 08月 28日



京都の錦市場の漬物屋「錦・高倉屋」の主人にして、
日本初の酒場ライターとして、

「Meets Rgional」などに寄稿している、

天才文筆家、バッキー井上さんが、

京都の本を出されました。


京都 店 特撰−あなたが行かなくとも街の明かりは灯ってる


出版は、140B


ほんまにうまいなぁとその文章を読みながら、

曲がりなりにも、一応、ちょっとだけ、ま、なんとなく

それなりに(しつこいっ)

文章を書く仕事をしているわたしなど、

思わずメモしたいフレーズの洪水で、

バッキーさんが選ぶ言葉は、どれも

バッキー語としかいいようがない、オリジナリティに溢れています。

店や人を紹介しているのだけれど、

そのどれもが、まるで上質な小説を読むよう。

(というようなありふれた表現を、バッキーさんはぜったいしませんっ)


解説は内田樹先生という、ものごっつい豪華版です。

内田先生は自らのブログでも、
この本を紹介されていて、

そこにはこんな文章が書かれています。


140Bが満を持して出す最初の単行本はバッキー井上さんの本。

私があとがきで「バッキー井上的叡智について」という長文のバッキー井上論を書いています。

バッキーさんのような文章を書く人は日本にバッキーさんしかいません(きっぱり断言)。


正直いって、

わたくし、京都が好きで嫌いです(ビミョーな表現でごめんやす)

確かに京都には、大阪をはるかに上回る、

心の底から感動するお店もいっぱい存在します。

死ぬほど美味しいお店も。



でもそれとは逆に、

雑誌やグルメブロガーさんの間で

もてはやされているお店が、

実はぜんぜん、それほどでもなかったり、、

京都って街は、
最高のラッピング(ブランディング?)があるだけに、

ついつい、みなの点数甘くなるのよね~。

ごめんね~京都贔屓の方。
(わたしの戯言よっ。適当に流しておくれやす)

ときには、15000円~20000円の割烹で、
あわびもキャビアも、蟹も出ないのに、

ただ作りたてのお豆腐とか
なにやらたいそうな野菜だけ出して、

そりゃ、ないやろーという店もあったりして。

わたしらは、ごまかされませんよっ(ひぃ)


でも、バッキーさんが紹介するお店は、

どこもかしこも、ぜーんぶ行きたい!

たとえば、

■地元の人間が通う、
「鮎・ハモ・豆腐」の一線級

で紹介される

居酒屋「ますだ」

豆腐「幸喜」

割烹「やました」

和食「旬料理嘉ねた」

など。

「やました」のハモの焼きしもは

打ち震える美味しさでした。

食べると思わず天を仰ぎたい味よっ。


バッキーさんはこの本の中で、

「料理の素材や産地などには興味がない」

と言い

「食い物にうるさいやつが黙る店」

「俺はいつも『勘定のことを気にしている」

「この店がなかったら、
俺は京都にいなかったかもしれない」

などと

ぽつりとつぶやいたりしていますが、


正直、味がどうの、店のつくりがどうの・・という問題はどうでもよく、

バッキーさんが選んだ店!だから、行きたいんですわ~。


それにしても、わたしが知る中で、

バッキーさんほど、

ゴム長をかっこよく履きこなす人を見たことがありません。

単なるおっちゃんの長靴が、

バッキーさんにかかると

特注の

ベルルッティのように見えるから不思議です。

いや、たぶん、この表現は違うかな?

ジョージ・クルーニが、

長靴を履いた感じ?

そんな、ええ色気を京都の街にふりまきながら、

毎晩ごきげんな昼と夜を過ごす、

むっちゃオトコマエなところも

バッキーさんの魅力なんですよね~。

ぜひ読んでみてください。

京都が嫌いな人も、

そして好きな人も!

by madamregina | 2009-08-28 20:00 | Diary | Comments(0)