エルメスの罠 再び   

2018年 01月 08日
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これまで、世界を旅する中で、


素敵すぎるエルメスマダムを


たくさん、見てきました。 

フォーブルサントノレの、


Parisエルメスの聖地内で見かけた、


グレース・ケリーみたいなマダムもそのひとりだった。 

上品なグレーのカシミヤのセーターに、


ブルジョワ族のお約束、


42センチのパールのネックレスとピアス。


時計はジャガールクルトのレベルソ。


ベルトはもちろんクロコのグレー。 

顔見知りの店員さんに、 「娘に孫が出来たお祝いに、


バーキンをオーダーしたいのだけど…」。 エルメスに口座をお持ちのVIPでいらっしゃいますね。 

彼女の手にはかなり年代物のケリーが。


それを、


ディーン・アンド・デルーカの紙袋みたいな感じで、持ってました。 

また、NYの私の大好きなホテル、


カーライルのパウダールームで見かけたエルメスも忘れられません。 

鏡の前の大理石の上に、


クロコのブラックとグリーンの二つの馬琴が、


ゴロンと大変無造作に乗っかってます。 

まるで、置き捨て。


誰かに取られちゃったらどーするねん?と、


ハラハラしていたら、


トイレから70代ぐらいのマダムが


別々に出てきました。 

彼女たちは友人のようでしたが、


その会話からして、


この近くのアッパーイーストに


お住まいの様子でした。


はー。 

こんな風にね、


娘に孫が出来たお祝いに馬琴をオーダーしたり、


トイレにクロコ置き捨て…、 みたいな人のために、


たぶん、んびゃくまんえんの馬琴は、あるんだと思います。 

で、かつて聞いた、エルメスのこの、


マーケティング用語(笑)を思い出した。 『ここに置いているのは


単なる商品ですが、


売っているのは、


エルメスと言う名の幸福です…』 おお!


何と言う名言。


そうよ。


誰もが、みんな幸福を求めて、


エルメスを買う権利はあるのね。 

しかし。


私たちってば、


一生懸命稼いだお金で、


百万以上の馬琴買ったりして、


ばかばかばか。 

なんという無駄遣い。 

まあ、


オットやパパに買ってもらうという人もいるだろう。


そりゃ、ラッキーだ。 

また、この馬琴は母のお下がりです…


なんて言うのも素敵です。 

でも、私はやっぱり、


自分が一生懸命汗水垂らして稼いだお金で、 「この馬琴を買ったの!」 と言う人を見ると、 「良かったね、


エルメスと言う名の幸福が買えて…。」 と心の中で祝福したくなります。 

お買い物こそ、すべての原動力。 

いや、


無駄遣いなくして、


何のための人生よっ。 ※写真は30年前ぐらいに買った、


コンスタンス。


素材はリザード。


でも、なんか似合わなくて


この30年間で使ったの10回未満。


およよ。


by madamregina | 2018-01-08 00:36 | Hermes | Comments(0)