アラン・デュカスの世界一美味しいスープ   

2009年 11月 28日



先日、ブノワのランチをご紹介しましたところ、

ひゃーっ、

個人的問い合わせが殺到!

中でも食いしん坊万歳な我が食友たちが注目したのが、
ワタリガニのスープでありましたっ。






やっぱ、みなさん、さすがやわー。
目のつけどころがっ。

マジで、これは卒倒級、悶絶必死にむちゃくちゃ美味しかったですからっ。

毎日でも飲みたいですからっ。



・・・と、やっぱりこの方、江弘毅さんからもメールが届きました。

江さんは、ブノワのオープン前からコンセプトワークを担当し、
アラン・デュカスが最も信頼を置くブレーンのひとりです。

岸和田出身で、別名だんじりエディターとも呼ばれていますが、

街場の大阪論」の著者でもあり、

最近ではミシュラン大阪に関してのスカッと胸のすく発言でも知られています。


そんな江さんから送られたメールは要約すると次の通り。

「ワタリガニのスープは
エクルビスのヴルーテみたいなやつかなあ。

こないだ『プロのためのフランス料理の歴史』を訳した、
辻調の料理研究所長の山内秀文さん(東大仏文卒・元柴田書店)と話してたとき、
このヴルーテの話が出て、

これはアラン・シャペルのスペシャリテやけど、
デュカスがそのアラン・シャペルの一番ええとこを持って行ってる
とのこと。

このスープはシャペルへのオマージュらしい。
デュカスはこの料理に絶対自信持ってるって言うてはりましたわ。

大阪のブノワではもうメニューにないけど、デュカスのレストランでは必
食らしいです」


(あ、ちなみにシャペルはアラン・デュカスの師匠です)

さすが江さんですわっ。

実はわたしもこのワタリガニのスープをのんだとき、

これはもう、ブノワのオープン初日に、

ピッカピカの夜景を見ながら、個室でいただいたエクルビスのヴルーテみたいやーと

感動に打ち震えておったわけでありまして、

それを江さんのメールが思い出させてくれましたー。

ヴルーテとはフランス語で、ビロードとか絹のようにやわらかいという意味だそうで、
普通のスープよりもっととろんとろんでポタージュ風です。


ブノワ初日にいただいたエクルビスのスープは

VELOUTE D'ECREVISSES, essence de champignons sauvages
  岡山産エクルヴィスのヴルーテ 木の子エッセンス


そのときの感想で、

こ、こ、これはああああ、
8年前、パリの「アラン・デュカス」でいただいた
その味とまさに同じ!!

エクルヴィス(ザリガニ)はフレンチでは定番の料理だけど、
海老の頭のミソや殻で出したスープがもう、最高!
志摩観光ホテル「ラメール」の最盛期に出された
伊勢えびのスープにも似てます」



なんてブログには書きましたが、

旅の記録ノートを見ると、

パリのデュカスをはじめて訪れたのは、
なんと、17年前なんでありましたっ(ひょえええーっ)

当事はほんと世界で最も予約が取れないレストランのひとつで、
何度目かのトライでようやくその門をくぐれたわけで。

そのレストランは現在デュカスが入ってる、
プラザアテネではなく、

エトワールを抜けて、トロカデロ広場に近い、びっくりするほど、かっこええ、中庭を囲む
高級ホテルの隣り(確か)、むっちゃスノッブな場所。


ジョエル・ロブションの元「ジャマン」があったとこです。
(ちなみに江さんもこの店行かれてて、むっちゃ良かったなーと言ってはりましたっけ)

そのときのことをちらっと記事にしてるんですが、
ここではじめていただいたのが、エクルビスのヴルーテでありましたっ。

F,フラン表示ですからっ(ひーっ)
どんだけ昔~っ?!




このとき、トリュフソース仕立てのブレス・ド・チキンなどもいただきましたが、

もうそれは、眩暈しながら、床につっぷすような衝撃的なウマさで、

「見れば陶酔、嗅げば恍惚」の料理で、一生口にとどめておきたい味でしたわっ。

レストランそのものの、魅惑的すぎるアトモスフェアももちろんのこと、

役者みたいなギャルソンたちの立ち居振る舞いにも幻惑されつつ、


お勘定書きを見たときのショックも鮮明に覚えておりましてっ(むっきー)


なにせ、ワインもたしかグラスだったと思うのですが、

ランチで、2人、6万円ほどでしたから(助けてーっ)

しかし、このとき相方は、超体調悪く、お腹もこわしてて(この人、旅先ではしょっちゅうですが)

「出来たらキャンセルしたい・・・うううううーっ」

と言う状態だったにもかかわらず、

苦労してとった予約確認書のファクスを、まるで戸籍謄本のようにだいじに

抱えて(ひーーーっ)、

弱りきった相方を引きずっていきましたともっ。

しかし、ほとんど瀕死状態だった、相方も、

エクルビスのヴルーテを飲んだとたん、

シャッキーンと背筋が伸び「うまいっ」と感動の嵐。

最悪な体調でもいまもあのときの話に及ぶと、

「うますぎたなー」

としみじみ、感慨にふけっておりますから。


かように、奇跡的なる、我らにとっては、生涯最高のフレンチだったのでありますっ。







いやあ、ほんま、なんべんもどびつこいですが、

後にも先にも、このときアラン・デュカスの料理は

わたしの中で、目からウロコ1兆枚の、ザ・フレンチ革命的な味でありましたっ。

もう、見るもの、食べるもの、すべてが次元が違うというか、

いままで食べてきたフレンチって何?というような、衝撃的シーンの連続で、

それからも何度かこのパリのお店訪れましたが、

このときほどの感動はなかったね~。


そんなわけで、前置きが長くなりましたが(えええーっ。これが前書きっ?!)

わたしのフレンチ料理の概念を根こそぎ変えた、

我らがデュカスの金字塔的代表メニュー、

エクルビスのヴルーテを彷彿とさせる、

ブノワのワタリガニのスープは、

すぐに飲みにいって欲しいのでありますっ!

やっぱりデュカス氏はフレンチの帝王!

※いちばん上のデュカス氏の写真は先日10月に来日されたときにブノワの個室にて。

SAVVY2月号にブノワ1周年記念のスペシャルメニューと、
このときのインタビュー記事が掲載されますのでまたご覧くださいね~。

by madamregina | 2009-11-28 10:23 | Diary | Comments(0)