テムズのあぶく   

2007年 10月 13日



Hiroさんからご紹介いただいた「テムズのあぶく」読みました!

あ、あ、あかんがな。もう後半泣きすぎて、
翌朝目がランチュウ(出目金魚ね)のように腫れてしまったであります。



この小説は、「第一回日経小説大賞」を受賞した作品で、
おいらの大好きなロンドンが舞台。
51歳の日本人駐在員と46歳の舞台演出家の愛のお話です。

いやああ、はっきり言って、中年の恋とか大人の恋って、
もう聞くだけで、なんか食傷気味というか、
かつては愛の伝道師と呼ばれたこともあるおいらでしたが(ほんまか)
いまは恋どころじゃないねん!と心境だったのよね~。
それよりすっぽん鍋よ(意味不明)

それに若く美しい男が主人公じゃなければ、ときめかないよなーと思ってましたが、
すみません。間違ってました。


いまや、『テムズのあぶく』に登場する51歳のバツイチ男、
高岡正雄もおいらが愛する小説の主人公リストのトップに躍り出た次第であります。



彼高岡は、たぶんどこかですれ違っても目にもとまらない、
何のヘンテツもない典型的な日本人サラリーマン。
少なくとも外見的には。主人公の聡美の第一印象がそうだったように・・・。

だけど、そんな中年男高岡のことを、
物語が進むうちに、どんどん好きになっていきます。


男の価値とは、真の優しさと潔さが決めるものなんだーとこの小説を読んで思った次第であります。

そして、この小説は、人生で最高の愛の物語ではあるのだけれど、
わたしが泣けてくるのは、
海外勤務という厳しい環境の中で、命を削るように生きる、
いち企業人としての高岡の心意気と、その凄絶なる生きざまです。
いや、それはいち日本人と置き換えてもいいかもしれません。

ロンドンやナポリというロマンティックな舞台設定に、
洒脱な会話。
ハムレットやテレーズ・ラカンのセリフが散りばめられ、
お洒落な恋愛小説と思いきや、
「沈まぬ太陽」の恩地元を彷彿とさせる気骨を持った企業人、
高岡の姿をリアルに美しく描いた物語だと思います。


女はこういう男に愛されなあかんね~。

しかし、いままで電車の中でぜーんぜん目にもとめなかった
ごくフツーの背広姿のおっちゃんの姿の中に
「高岡」が潜んでるかもしれない・・と
マジマジと彼らを見ている最近のおいらであります。

by madamregina | 2007-10-13 10:41 | Diary | Comments(0)