たくさんのひっかかりのある人生Part2   

2014年 05月 09日


ほぇええええええーーーっ。

昨日は疾風怒濤の日だった・・

しかし、素敵な方と素敵なイベントのお話なんかもあり、

いろんなことが動き出した日でもありました。


ま、それなりに、大変なこともありますが、

人生、悪いこともあれば、

いいこともあるっ!

そう言う意味で、

おいらの人生は、つくづく、

「たくさんのひっかかりのある人生」だなぁと思う。


これは、
かつて森瑤子さんが、

自身の本にサインしてくれた言葉。

この言葉にまつわる、エッセイ。

何度か同じ内容で書いたけど、

よかったら、読んでくださいね。

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【たくさんのひっかかりのある人生】

ある年の夏。

森瑤子さんの突然の死を取材先のボストンで知った。

その日、真っ青な空の下を呆然と歩き続けた、

クインシー・マーケットの風船の色をいまもときどき、思い出す。

森さんにはじめて会ったのは、

「情事」ですばる文学賞を受賞された、数年ののちだった。

「誘惑」「嫉妬」・・と彼女の小説世界にのめりこんでいた私は、

当時某雑誌の編集を手がけていて、

まるで初恋の人にはじめて会いに行く少女のような気持ちで、

京都に旅行中だった彼女を、

インタビューのためにたずねたのだった。

33~35歳は女として最も完成する時期なのに、

誰も自分のことを認めてくれない。

どうしたら、その奈落の底から這い上がれるか、

どうしたら、みんながふり向いてくれるか、

どうしたら、夫がもう一度自分を尊敬してくれるだろうかと、

森さんはもがき続けたと言う。

そうした十分すぎる飢餓をかいくぐった直後に、

はじめて書いた小説が、

『情事』だった。

「小説の中に自分の飢えを塗りこめることによって、
現実のわたしは救われたのだと思います」

そんな話を聞かせてくれた。

その後も個人的に食事やお酒を飲む機会に恵まれた。

憧れていた飯倉の「キャンティ」にはじめて連れて行ってくださったのも、
森さんだった。

「デザートにはね、洋ナシのタルト、カルバドス、
そしてエスプレッソの組み合わせが最高よ」

そんなことも教わった。

夫や母親、そして子供たちとの壮絶な葛藤を描いた、

彼女の私小説とも言える著書『夜ごとの揺り篭、あるいは戦場」には

こんなサインをくださった。

『たくさんの、ひっかかりのある人生・・・・・森瑤子』

森さん流の私への人生のエールだと思った。



冬の京都や、サンモリッツのスキー場や、軽井沢の別荘から、

何通も便りをいただいた。

いちばん最初にいただいた手紙には、

こんなことが書かれてあった。

「ご自分では気がつかない
情熱のようなものがあって、
それが周囲を巻き込んでいます。
その情熱を大切に」

その手紙はいまも大切に持っている。

東京に行くと

「ランチをしましょ」

と言って、忙しい中いつも出てきてくださった。

いままで自宅で原稿を書いていたとは思えないほど、

お洒落な装いで、

颯爽と現れた森さんは、

本当に美しく輝いていた。

ふとワイングラスを持つ右手中指に見つけたインクの染み。

あの、モンブランのブルーの色と、

彼女にもらった言葉たちは、

いまも私の中で鮮やかに、生き続けている。

by madamregina | 2014-05-09 15:14 | Life